フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2004年度21-2・特集:ポーラーエクスプレス感想文-1
2005年1月24日発行読書運動通信21号掲載記事2件中2件目
   特集:ポーラーエクスプレス感想文
*この記事は1〜2まであります。
●→絵本「急行 北極号」感想
★→映画「ポーラーエクスプレス」感想

国際2年
●他人にこの事を話すと、驚かれますが、
私は18才までサンタが本当にいると思っていました。
なぜなら、クリスマスの朝、必ず部屋のどこかにプレゼントが置いてあり、
両親に尋ねても、自分たちが置いたのではない、と言い張ったからです。
私は、両親がサンタではないかと、疑っていたけれど、
19才のクリスマスの朝、部屋にプレゼントが置いてなかったことから、
その時家にいなかった両親がサンタだと分かりました。
この絵本を読んで、信じることの大切さと、失ったときの
小さな痛みを再び感じさせられました。

★絵本がとても楽しかったので、映画の方も楽しめるかどうかが少し不安でした。
しかし「楽しさ」という点では断然、映画の方が勝っていました。
絵本では表現されていなかった北極点に行くまでの過程が、
スピード感のある映像や音響効果によって、よりよく表現されていました。
そして主人公と鈴の場面では、主人公の気持ちが、
私の心にストレートに伝わってきました。主人公が鈴の音を聞けた時、
私は泣いていました。温かいものが体中に行き渡って、
あふれ出たような涙だったと思います。
その暖かいものというのは感動というよりむしろ“幸福感”だと思います。
映画を見て“幸福感”で涙が止まらなかったのは初めてでした。
座談会にも出席しましたが、私の所属学部が国際交流ということもあり、
絵本や映画について細かく語り合うという経験が今までなかったので、
とても新鮮で楽しかったです。またこのような機会があったらぜひ参加したいです。
ありがとうございました。


英文2年
●私は、今回この絵本を読む前に原作の絵本を小説化したものを読み、
そして映画もすでに見ていました。
今回は原作の絵本を翻訳したものを読みましたが、
小説とも映画とも違っていて、読みくらべをしてみて良かったです。
しかし、内容が小説や映画よりも薄く、良い印像を持てませんでした。
が、この本の一番大切な、
「心から信じる者だけに、サンタのソリの鈴の音が聞こえる」
という部分は、変わらずに表現されていて良かったです。
このシーンが、読者である私にとってベストだと思います。
この部分を読んだときに、今の自分がサンタを信じているのか
信じていないのか考えさせられました。
この本に出会う前まではサンタのことなど
子供達だけが信じているものだと思っていましたが、
今では大人でも信じることができるし、
信じることで何か良いことが起こりそうだと思いました。
そして、大人たちが信じていないという事実に対してショックも受けました。

★トム・ハンクスらしさが非常に出た映画だと感じました。
エンターテイメント化されていたので、
絵本と全く雰囲気が違っていて面白かったです。
見ている人に子供の頃の思い出をよみがえらせてくれたり、
懐かしさと共に楽しさをあたえてくれたりする点が良かったです。
映像も綺麗で大人でも楽しめると思います。


国際4年
●幼い頃に夢見ていたクリスマスの夜だが、大人になると、
その夢やワクワクした気持ちは薄らいでいった。
しかし、この本を読むと、なつかしさだけでなく、
心があったかくなる“灯”にもにた、やさしさがあった。
もう一度、夢見る心の大切さを考えてみようと思わせる絵本だった。

★絵本ならではの“あたたかみ”を、映画でどの様に演出するのか?
という疑問をもって映画を見た。
雪がチラチラと舞う感じや、汽車のスピード感などが、
私がイメージしていた以上に具現化されていて、
とても満足できる内容になっていた。
絵本には登場していなかった汽車の上の男やメガネの少年などが
話により深みを持たせていた。
又、トム・ハンクスの1人12役という点も、注目できるポイントであった。
サンタクロースのやさしい声や車掌の声など、
声の出し方のちがいをチェックしてみると、
さらに映画を楽しむことができるのではないだろうか。


英文2年
●なんだか自分が小学生くらいに戻ったような気持ちになりました。
これからも、こんな風にずっと夢を持っていたいと思いました。
もし、自分に子どもが出来たら、クリスマスにこの本をプレゼントしたいです。
★映画「ポーラーエクスプレス」は、原作の世界を更に深めたものだった。
原作と映画との大きな違いは、主人公の少年の性格です。
私が思うに、きっと現代の子ども達に主人公を似せたのだと思います。
全ての素晴らしい作品には、必ずどこかに自分と重なってしまう部分があり、
それだからこそ、人はより大きな感動を覚えるのだと思います。
作品全体を通して、いかに人に共感してもらえるか、
非常によく考えられていると思いました。
そして特に素晴らしいと思ったのは、音楽です。
様々なクリスマスソングが互いに邪魔をせず、
1つのきれいな曲を作りだしているかのようでした。
この作品のテーマでもあると思うのですが、
信じることは大切だとあらためて思いました。


国際3年 小島麻由子さん
●初めて読みました。ストーリーはとても短かったのですが、
夢は信じていれば叶うということを伝えたいのだと感じました。
このクリスマスシーズンに、子供にとっては最適な本となるでしょう。
素敵な絵にも引き込まれました。

★圧巻のひとこと! 本の挿絵そのままの美しい色と、
人物のやわらかさが臨場感たっぷりに伝わってきました。
前半は一難去ってまた一難というスリル満点の展開で、
まるで遊園地のアトラクションを体験しているようでとっても楽しいです。
そして後半は涙が止まらない。
見終わった後に、誰もが優しい気持ちになれる作品です。
特に子供に見て欲しいと思いました。
全偏通して音楽が非常に素晴らしく、涙を誘います。
車内では給仕が踊り、トム・ハンクスが歌うところは
ミュージカルの様でとても面白いです。
こんなに美しい絵を作れるCG技術に脱帽です。一見の価値あり!


国際4年
●人が成長するに従って失うものがある、
ということを新ためて気付かされました。
思い返せば自分が絵本を何冊も読んでいた幼い頃は純粋そのものでした。
しかし、もしも今、銀の鈴を振ってみても私には聞こえないような気がします。
成長したことを少し後悔しつつ、自分の心に純粋になりたいなと感じました。

★できることなら自分が子供のときにこの映画に出会いたかったです。
絵本を読んでいたのでストーリーは知っていました。
ですから正直なところ、映画を見て楽しめるかどうか不安でした。
が、本編が始まると、すぐにその不安は吹き飛びました。
常にドキドキ・ワクワクの連続でやりすぎなのではないかと思うほどに
息つく間がありませんでした。
大人の自分ですらこれほどまでに楽しめるのですから、
子供たちはこの映画を見て一体どんな感想を持つでしょう!
子供、大人関係なく、多くの人々にこの映画を見てもらい、
人間には 無限の可能性があることを、改めて感じてもらいたいと思いました。
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