フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
29・30-6・特集.1 携帯本-5
2005年11月24日発行読書運動通信29・30合併特大号掲載記事16件中6件目
特集:1.携帯本/2・食と文学
お知らせ:1.文部科学省特色GP採択について/2.イベントについて
  
京都の旅の供に
通学途中の電車の中で、京極夏彦の『巷説百物語』、島田荘司の
『御手洗潔の挨拶』、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの事件簿』。
北海道行きの飛行機の中で京極夏彦の『続巷説百物語』、北海道についてからは
高里椎名の『銀の檻を溶かして』。そして現在、アルバイトの最寄り駅に
着くまでの電車の中で、有栖川有栖の『四六番目の密室』を読んでいます。
「本なんて持ち歩いていないな」と言っていたのに、ふと気がつくと、
移動時間に本を読んでいることが多いことに気がつきました。
さて、今回私が紹介する本は、夢枕獏の『陰陽師』です。
時は平安時代。人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に
時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。そんな闇が「闇」
として残っていた時代の中に、一人の雲のような男がいた。
名を安倍晴明、従四位以下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師である。
時に人を惑わせ、時に人を苦しめ、そして、時に悲しいまでの物語をつむぐ、
死霊や生霊、鬼などの妖しのものを相手に、親友の源博雅と力を合わせて
この世ならぬ不思議な難事件に挑み、鮮やかに解決する。
ご存知の方も多いと思いますが、いまだ冷めやらぬ「陰陽師ブーム」を
巻き起こした作品の一つです。
現在私が持っているのは『付喪神』の巻を除く四作品ですが、
どれもこれも何度読んでも面白い作品です。お気に入りはやはり、
安倍晴明と源博雅のテンポの良い会話ですが、妖しのものとの対峙シーンも、
妖しの思いが強いゆえに切なくて好きです。
このシリーズ作品は一貫して舞台が京都なので、いつか京都に旅行に
行く際にでも、移動中、市内観光のところどころ、作品の舞台となっている
場所に立ち止まって読みたいと思います。
(日文2年 柿沼友香)

同じ読書運動プロジェクトメンバーでも、この本と一緒にあそこへいってみたい!
本はゆっくり落ち着いて読みたい。次はこれを読むぞと、意見はいろいろ、
何を読むかもいろいろですね。場所、時間、問わず自由に楽しめるのが読書です。
携帯本、してみませんか?
(英文4年 櫛谷仁美)
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