フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2006年度を振り返って3
このタイトルは1〜13まであります。
日本文学科3年 佐々木かおる
 今年度は宮沢賢治を中心に据えました。
賢治は童話作品を多く書いているためか堅苦しさも少なく、
また研究対象としても興味の尽きない存在でした。『銀河鉄道の夜』を
1冊として定めましたが、他の賢治作品も多く読むことが出来た1年
だったと思います。今年度は例年に比べ講演会が少なくなってしまい、
反省すべき点だと活動中から感じていました。ですが、反面、
今までは1度か2度しか出来なかった読書会をほぼ1ヶ月に1度開くことが
出来ました。これはメンバーの意欲も勿論ですが、今年度の中心が
賢治だったためであることも大きな要因だと感じています。
長編の作品を幾度も期限までに読んでくることは、
決して簡単なことではありません。ですが賢治作品は短いものが多く、
また既読の作品もあるため、メンバーの負荷も軽減されたのだと思います。
懐かしいという言葉を聞くたびに、賢治がずっと愛されていたのだなと
感じ嬉しくなりました。子供の頃に読んだものを読み直してなお面白く
感じられる、違った感覚を覚える、それこそが読書の醍醐味であるのでしょう。
読書とは、1度きりで終わるものではないのです。それを、
より多くの人に知ってもらうのも、このプロジェクトの活動なのだろうと
思っています。また、授業との連携や対外的な活動となる読み聞かせ
なども行われました。宮沢賢治関連の授業では、プロジェクトでは
充分に取り扱えなかった作品を取り上げていることもあり、
賢治の違う面を知ることが出来ました。読み聞かせは実際に保育園へ
出向いての活動だったため、問題点も浮き上がりましたが、それでも
経験して損などない、貴重な体験だったと思います。
私個人としては、過去に幾度か似たようなことを体験したことが
あったため、懐かしいような思いもありました。
賢治に合わせ今年度の合宿は岩手へ行きました。
今までは県内で大学祭に向けての作業をしていた合宿ですが、
更に賢治を知ることが出来、また作品への理解も深まり、
何よりメンバー同士が打ち溶け合えた良い機会になったと感じています。
今年度は沢山の新しいメンバーが増えました。新しい人材に対し
経験者が少ないため、充分に指示や指導を出来なかった面も多々
あっただろうと感じています。その中で、本当によく動いてくれる、
信頼できる人々が集まってくれたと嬉しく思います。
来年度は『バッテリー』を中心にして活動します。
私自身がどれ程携われるかはわかりませんが『バッテリー』は
入学当初から思い入れがある作品です。
それがテーマになったことはメンバーとして、また様々な情報を
提供される側として嬉しく思っています。
出来る限りは活動に参加したいと考えているので、来年度も
充実した1年に出来るように頑張りたいと思います。


ミーティングの様子
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