フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2006年度を振り返って4
日本文学科3年 柿沼友香
今年の読書運動プロジェクトは、特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)
に選ばれたためか、それとも今年のテーマ「宮沢賢治〜イーハトーヴの
迷宮をぬけて」として宮沢賢治作品を取り上げたためでしょうか。
今年は新メンバーがたくさん入ってくれて読書運動プロジェクトに用意
してもらったグループ学習室が狭く感じられました。
しかしそれは結果論かもしれません。彼女たちが読書運動プロジェクトに
興味を持ってくれたのは、読書が好きだからであり、図書館が
好きだからでしょう。そして三田村教授のこの運動に傾けられる熱意と
図書館職員の方々の読書活動に対する呼びかけの現れなのだと考えています。
 それにしても、こんなに多くの人数で活動できたうえに、
読書会に大学の教授方をご招待しての本格的な読書会は初めてのことでした。
その読書会に学生の皆さんが参加してくださったことが非常に嬉しくて
楽しかったです。それまでの読書会は読書運動プロジェクトのメンバー
同士で行っていましたので、あの時の驚きと喜びはとても説明できませんでした。
いままで読書会で読む課題作品が長編ものでしたので、呼びかけのポスターが
1ヶ月以上前に構内に貼っていたにもかかわらず学生の皆さんの参加がなかった
ことが常に悲しみの種でした。
しかし、今回の宮沢賢治作品での読書会の呼びかけは、メンバーが
「こんなに集まるとは思わなかった」と口々に感想を出すほど
第1回目から大変な盛況でした。やはりお昼の時間でご飯を食べながら、
また宮沢賢治作品が短編集であることが知られていたからでしょう。
たくさんの方々が読書運動プロジェクトの詰め所であるグループ学習室に
きてくださいました。短編集であるからこそ、短い告知の時間でも
読んでいないけれど読書会に興味があるという方々も飛び入り参加を
してくださいました。
また、今年初めての試みである保育園への読み聞かせは、
大変興味があることでしたが持続させるにはメンバーで運営するには
難しいほど、たくさんの方々が参加してくださって驚きました。
皆さんボランティア活動や読み聞かせといったことに大変興味を
お持ちなのだ、と感動しました。しかし読書運動プロジェクトの
詰め所であるグループ学習室が定員オーバーとなってしまいました。
あんな狭い空間に20人近い参加者が入られて、昼休みの1時間だけで
読み聞かせの指導はやはり無理があったな、と感じられました。
あのときは狭い、時間がない、準備ができてない、と3拍子そろってしまい、
読書運動プロジェクトで活動していくにも限界があると感じてしまいました。
読書のおもしろさを伝えて行くにはとても効果的な活動ではあり、
読書会の主催と講演会のお手伝い以外でも活動してみたいと考えていましたが、
読み聞かせはもっとたくさんの人数と半年以上から計画を練っておかないと
持続できないな、と感じました。読み聞かせはしてみたいとはメンバー内で
話していたこともありましたが、机上での話し合いと実際に活動してみる
こととの違いを見た思いです。図書館の職員の方々や講師の方や
参加される方々、持ち寄る本や借りる本、そして活動する場所とそこでの
マナーなども視野に入れて行かなければいけないのだ、と知りました。
活動してみて初めて見えるものもあるのだと改めて感じました。
年度が替わり新しいことが増えたので毎回の活動が驚きの連続でした。
しかし、この読書運動プロジェクトに入って本当に良かったと感じています。
朝日新聞社の方々がいらしたり大学内外でも有名になった活動に、
来年度もたくさんの方々が参加してくださると思うと今から後輩たちに
期待してしまいます。しかし、あと1年は後輩たちの活動のお手伝い
という形で参加させていただきますが、「去年は……」などと自分たちの
活動を引き合いに出さないで彼女たちらしい活動を見守っていきたいと
考えています。
それでは、高松さん、矢島さんをはじめとする後輩の皆さん。
来年度も読書運動プロジェクトをよろしくお願いします。
手伝えることがあればいつでも言ってください。
応援に駆けつけますので頑張ってください。

大学祭「ますむらひろし先生講演会」に集まった人たち
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