フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2006年度を振り返って5
このタイトルは1〜13まであります。
国際交流学科3年 日隈亜衣子
 宮沢賢治に興味があった私は、少しの好奇心がきっかけとなり、
読書運動プロジェクトに携わるようになりました。賢治の作品は、
不思議なものばかりで、理解できない表現も多くあります。
しかし、不思議でなんだかわからないからこそ、人によって
その捉え方が異なり、さらに物語の面白さが増すのだと思います。
そのため、読書会を行い皆の意見を聞いたり、話の背景を想像することで、
物語を十分に楽しむことができました。また、物語に存在する賢治の疑問が、
物語自体をさらに深いものとしています。
特に、その中でも印象深かったのが「生と死」についてです。
賢治は、「生と死」に大変敏感であり、それが話の中にも溢れています。
私達現代人にとって、生物を殺して生き延びることは当たり前のことであり、
そこに何の違和感も感じていません。もしかしたら、感謝の念も
忘れているかもしれません。賢治の話から、人間を含む生物は
お互いに生存させ合っている、という当たり前の事実を再認識することが
出来るだけでなく、死とは身近な存在であることを教えてくれます。
もう一度、自分自身や現代のあり方を考えるためにも、
賢治作品を読むことは大変オススメです。
また、自分自身にとってもこのプロジェクトに参加し、
友人達と話し合うこと、物語の世界を深く考えることは
有意義な時間であったと感じています。


読書会の様子
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