フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2006年度を振り返って11
このタイトルは1〜13まであります。
1年間の活動を通して学んだ事   日本文学科1年 萩原やよい
 大学に入学したばかりの4月、私が知っている宮沢賢治の作品は
小学生の頃に国語の授業で読んだ『やまなし』だけだった。
そんな私が宮沢賢治の作品を今年の1冊に取り上げて活動していた
読書運動プロジェクトに参加したのは好奇心からだ。
昼休みという短い時間に行われている読書会というものに
興味をそそられたのだ。今まで私は、読んだ本にたいする感情を
誰かに伝えたりしたことがあまりなかった。あったとしても小中学生の
夏休みの宿題で強制的に書かされる「読書感想文」で、誰かと本にたいする
意見の交換などはしたことがなかった。だから、読書会とは何をする場なのか、
読書運動プロジェクトとはどんなことをしているのか非常に気になった。
はじめの読書会の時、私は読書会をとても堅苦しいもののように考えていた。
作品にたいしてちゃんと意見を持っていないといけないと考えていた。
だから、今まで読んでいない分、読書会のために少しでも宮沢賢治の作品を
理解しようと作品に触れる努力をした。しかし、理解できないものは何度
読んでも理解できない。本を読んだ自分の意見は、疑問ばかりで読書会で
感想を聞かれたらどう答えたら良いのだろうと不安に思った。
けれど、いざ読書会に参加してみると素直に理解できないという意見が出ていて
驚かされた。本当に自分が思ったことを発言し、堅苦しさなんて全く感じられない
ものだった。それどころか他人の意見に触れ、今まで自分がもっていた意見とは
違うことを新たに感じたりできる新鮮な場だった。読書会に参加しなければ
こういった経験はできなかったと思う。
この1年間を通して、私は本を読み、他人と語り合うことの楽しさを

教えてもらった。来年度はこの楽しさを今度は私が誰かに 伝えられるよう頑張りたい。


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