フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2004年度を振り返って5
今年度、そして来年度に向けて  日本文学科2年 溝田弥生
 村上春樹は、
一部に作品をよく読みこむファンを持つ作家であるらしい。
わたしの周囲にいた村上春樹のファンに
作品のどこが好きかたずねると、
何時間でも話せそうな調子で熱く語ってくれた。
最初は理解できなかったが何冊も読んでいくうちに
面白いと感じるようになっていった、とか、
その文章が良いということだった。
彼女の話から、ほんとうに好きで
深く読み込んでいるらしいことが伝わってきた。
 今年は、そんな村上春樹の『風の歌を聴け』を
1年間のテーマとして取り上げた。
作品中には1970年代の世界が広がっており、
1970年代の流行やファッションに関するイベントを
行うこともできた。
また読書運動プロジェクトメンバー以外の方の協力も得て
作中に登場する多くの音楽を集め、イベント時に流すこともできた。
教授を中心としたバンドに演奏をしていただいた今回の講演会は
好評だったので、またお願いしてみたい。
協力してくださった方々には本当に感謝している。
読む以外の観点から読書を広めるきっかけに
なったのではないだろうか。
作中の世界を垣間見ることができ、面白かったと思う。
 ただ、今年の活動は中途半端になってしまった感がなくもない。
上に記したような読者のいる手前、中途半端なことはできないと
腰が引けてしまったのかもしれない。
イベントに意見して貰えたなら、それは私たちにとって有益なことのはずだ。
気持ちの面で一歩引いてしまったとしたら、
もったいなかったと思う。
今は思いつかないがやり残したこともあると思うので、
またいつか村上春樹を取り上げて活動できたらと思う。
 今年度の反省を活かして来年度以降の活動につなげていきたい。
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