フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2004年度を振り返って8
「仲間」と一緒に  日本文学科1年 吉澤小夏
 読書は好きでも、それほど本を読んでいない私が
この団体でやっていけるのだろうか、そんな不安を抱きながらも
私は、読書運動プロジェクトに参加しました。
実際、今年のテーマである村上春樹の作品を読んだのも初めてなら、
現代小説に触れたのも初めてだったので、
三田村先生の講演会、司会をさせていただいた諸橋先生の講演会と、
プロジェクトメンバーに参加していながら足手まとい
になってしまったように思います。
同じ1年生の仲間が6月には4人になり、
彼女たちに比べ自分の知識がひどく浅いことを実感し、
やる気を失うこともありました。
私のこのプロジェクトでの生活は、そんなふうに始まったのです。
だけど、仲間が増えたことはそれよりも、
プラスの効果の方をもたらしてくれました。
 6月に行われたイベント「体験70年代・風の歌を聴け」は、
試行錯誤を繰り返した新しい試みでした。
メンバー全員が「上手くいくだろうか」という不安を抱えながら
練習、話し合いをして、ひとつのことを作り上げました。
だからこそ、無事に終わった時の達成感はひとしおで、
少しでも手伝えた私もそれを感じることができました。
同じ1年生の仲間もこのイベントではそれぞれの役割を務めましたが、
その、学年の枠を越えて力を合わせるという経験が、
私にもそんな達成感を味あわせてくれたのだと思います。
 映画上映会、前田先生の講演会、大学祭でのウォークラリー・朗読会、
読書会、小林先生の講演会と、冬にかけても忙しい日々でした。
夏・今年の春には合宿もして、話し合いづけの2日間を過ごしました。
話し合いはこのプロジェクトの核をなすものです。
合宿以外でも、毎週のミーティングをはじめ
話し合いの機会は多かったです。
意見の対立あり、意思の疎通が上手くいかないことあり、
それでも話し合い続けるのはやはり
学年の枠を超えたつながりがあるからなのでしょう。
そのなかで、先輩や仲間にいろいろなことを教わり、
私は半ば巻き込まれるように
このプロジェクトに溶け込むことができました。
 思えばあっという間の1年でした。
12月には来年度のテーマ決めをしなくてはいけなかったので、
4月から『風の歌を聴け』を読み、村上春樹の面白さを知って、
他の作品を読み始めたり、やっと面白さを伝えられる、
と思ったらもう1年は過ぎていました。
もっと早くできたらよかった、と思うことは多々ありますが、
それらは来年に生かそうと思います。
 来年度のテーマは「ファンタジー」、枠の大きいテーマなので、
メンバーの意見も今年以上に多種多様、今年よりも意見の対立は多いでしょう。
けれどそれはきっと、よりよいものを創る原動力になると思います。
メンバー内にとどまらず学生を巻き込んで活動することができるでしょう。
来年も「仲間」と、そんなエネルギッシュな活動をしていきたいと思います。

大学祭「図書館ウォクーラリー」の様子
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