フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2005年度を振り返って-6
●挑戦の年度   日本文学科 2年 佐々木 かおる
今年度のテーマは「ファンタジー」、今までとは趣向が少し異なり、
大きな枠でテーマが据えられました。西洋と東洋、広範な作品を取り上げ、
映画上映会や講演会を開きました。特に、特色GPへの採択後は講演会の
頻度も上がり、また朗読会、創作コンクールなどの新しい試みも行われました。
特色GP採択というのが契機となり、挑戦の年度となったと思います。
「ファンタジー」というテーマは個人的には鬼門でした。あまり好んでは
読んでいなかったのです。映像の作品も、食わず嫌いの状態でした。
しかし、今年度ファンタジーを多角的に読み解く講演会を聴き、上映会をし、
朗読をし、多種な作品に触れ、気付けば苦手意識が減っていました。
大作といわれる『指輪物語』の映画でさえ見たことが無かったのですが、
上映会のスタッフとして三部作全て見、感動しました。
今は友人と『指輪物語』の話を楽しめるようになったのです。
読書を広める側の私自身が、今年度「ファンタジー」というテーマで
活動しフィールドを広げることが出来たのです。
朗読会と創作コンクールは、運営側だけではなく自らが参加者、
応募者として携わっていることが印象的であり、また嬉しくもあります。
学業、アルバイトなど、なかなか忙しい中でどちらも充分な時間を裂いたとは
言えないかもしれません。ただ、今まで表舞台に立つことを極力避け、
裏方であろうとした自分が、多くの皆様の後押しのお陰で、参加者として朗読をし、
作品を応募することが出来たことは、進歩だと思いました。
見ず知らずの方の朗読を聞くことも、見ず知らずの方に聞かせることも、
稀なことだと思います。そんな中で、拙いものではありましたが、
自分の朗読への感想は、叱責賛辞共に自らの糧になるものでした。
これらの体験をより多くの学生にしてもらえるように努力すべきだと思います。
読書運動プロジェクトの課題は、集客力であろうと感じます。
幸い、今年度の大学祭に行われた講演会では百名以上の方にお集まりいただきました。
しかし、平日に行われている講演会は満足の行く人数とはいえないでしょう。
映画上映会となると、作品によって顕著に差が表れます。特色GP採択により、
ただの自己満足の活動で済ませていい状態ではなくなったのです。
私たちはより生産的により良質のものを提供し、学生に更に読書を普及させるべく
尽力するべきである立場になったのです。来年度はまた新しいテーマを据えて
活動することになります。今年度の経験を生かし様々な講演会や企画を円滑に、
そして高品質に行えるように、学生メンバー、図書館職員の方々共に連携して、
楽しく活動していきたいと思います。
Copyright(c) 2000-2006, Ferris University Library. All Rights Reserved.