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●巻き込まれ飲み込まれ、読書運動プロジェクト 日本文学科 2年 吉澤 小夏
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振り返れば、あっという間に過ぎた私の読書運動プロジェクトメンバー
として2年目の1年間だった。自分の立っている場所さえ見えぬまま、
巻き込まれ飲み込まれ、いつのまにか私にとって読書運動プロジェクトは
なくてはならない場所になっていた。
今年のテーマは「ファンタジー」、これまで一冊の本、1人の作家に
こだわってきたなかで、このテーマは新しい挑戦となった。
1つのテーマからそれぞれの方向に広げていくという今までのテーマに対し
今回のテーマは、広い範囲から1つの答えに向かうという逆の方向性を持っていた。
はじめから、漠然と終わってしまうかもしれないという不安はあった。
しかしながら、さまざまなファンタジー作品を取り上げていくことは、
1つの答えに集結しなければならないという考えを超えて、1人ひとりのなかに
「ファンタジーとは何か」という1つの答えを見出していくという新しい成功を
見せてくれたと思う。西村先生の講演会に始まり、活動1つ1つが
「ファンタジーとは何か」という答えへの道を示してくれたし、少なくとも
「ファンタジー」を見つめなおす機会を提供することはできたのではないかと思う。
やはり確かな「まとめ」が出来なかったという点では後悔が残るが、
新たな道を作ったという点で今後の活動につながる1年であっただろう。
1年間、主な活動以外にも色々あった。長くお世話になった図書館の池内さんの
ご退職は、活動だけでなくメンバーの精神面にも大きな痛手だった。
しかし、新たに鈴木さんが読書運動プロジェクトの担当をしてくださることになり、
お世話になり支えられ、1年を乗り切ることができた。
図書館の方々にはいくら感謝してもし足りない。
そして読書運動プロジェクト一大転機となったのは、文部科学省の特色GPに
採択されたことである。三田村雅子先生のご尽力で、メンバー皆驚いてしまった
この結果はやってきた。今後このプロジェクトに期待されるものは大きい。
これまで先輩方が積み重ねてきたひとつひとつの活動を大切にしながら、
さらなる成長に力を注いでいこうと思う。
今年度は、朗読会や創作コンクールと、「声に出す」「書く」新たな
「読書」に挑戦した年でもあった。講演会を毎回楽しみにしてくださる方、
「私たちの<今>を読む」文庫を毎日のように利用してくださる方、
読書運動プロジェクトは多くの人々に支えられている。だからこそ自由に新しい
発信をすることができたのだと思う。まだまだ読書運動プロジェクトが
できることはある。今後の目標は、より多くの方に参加してもらい、楽しんで、
このプロジェクトを一緒に作っていくことである。
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