フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2002-5-5活動報告書 学生メンバー感想
読書運動プロジェクト 文学部日本文学科2年 桜井静香
 前期と後期では少々姿を変えたプロジェクトだが、前期で行った、一つの本を
じっくり、他の人の意見を聞きつつ読み進めていくというのは、普段自分で本を
読む上で中々行わないことなので、「ああ、ここはそのような解釈もできるのか」とか
「このような側面から捉えることも出来るのだな」等気付かされるものが多く、
一つの本の読み進め方として、多視点から一つのものを見るという点で、非常に
得るものがあったと思う。また、単純に他の方の意見が聞けるというのが面白かった。
 後期では、前期に比べ、幾分か溶け込みやすい雰囲気に工夫されていたのは、
とても良いことだと思う。一つの本を読み進めていくことはしなくなったものの、
自分のお勧めの本を紹介するのは、発表者も楽しそうで、聞いている方も面白かった。
 ただ、正直、読書運動に参加する人数が少なかったのは残念だと言わざるをえない。
時間的な制限は勿論であるが、この運動そのものを知らなかったり、最初に掲げた
本が難しそうなイメージを与えてしまうものであったためか、知っていても
参加する気になれない、一回の時間が長すぎて嫌だ、等の意見から改善の余地は
まだまだあると思った。後期に入り、前期の本とは別に「お勧めの本を持ち寄って」
という運動に転向したが、宣伝の効果は殆ど見受けられなかったのではなかろうか。
あれほど貼り紙をしていても、学生の頭の中には残らなかったのだろう。後期も
終わりの方になって、「アフガンってまだ活動しているの?」と聞かれたときには
苦笑いをするしかなかった。
この活動を通して、何か新しいことを始めるのが如何に大変かということを知った。
突発的なメンバーの構成だったせいも、色んな学部で構成されていた点も理由に
なりうると思うが、意見の食い違いや考え方の違いを纏め上げるのは難しく、その意見の
食い違いを申し出ても、正しく伝わらなかったり、違った解釈として捉えられて
しまったりしていると感じることが多々あった。
まだまだ模索しながらの活動だったので、すべて希望通りにことが進むはずもないし、
参加人数が少ないのも仕方ないとは思うが、一つ一つ改善の方向に向かわせ、
続けることで大きな活動となるのを期待している。
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