フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2003-3活動報告書 終わりに(事務局報告)
多くの成果、大きな課題、そして遙かな目標 池内 有為(大学附属図書館)
 報告書をご覧いただければ一目瞭然、今年度は魅力あふれる多彩な催しが行われました。
“読書運動”の名称から予想されるような企画にとどまらず、講演会、映画上映会、
朗読と作曲コンサート、ウォークラリーまで、その潤沢なアイデアは三田村先生と学生
メンバーからもたらされました。次々と打ち出される企画に、正直、ついていくのが
精一杯でしたが、研究活動や学生生活の傍ら精力的に取り組んでいる先生や学生メンバーの
熱意に触発され、図書館スタッフの皆さんや各課の援助を受けながら、何とかやり遂げる
ことができました。学内だけではなく、新聞社などのマスコミ、地域のコミュニティ、
近隣の公共図書館、そして宮部さんが所属する大沢オフィスなどの協力を得た企画のひとつ
ひとつが誇れる成果であり、二年目のジンクス(?)を爽快に打ち砕く活動ができたと
思います。

 反面、事務局として対応していく中で、学生メンバーの意向を生かしきれない場合など、
せっかくの熱意を削いでしまうこともありました。私にとっては「当然」引き受けられない
ことであっても、メンバーの皆さんにとっては「どうして?」と納得がいかないことも
多かったようです。理由を説明し、代替案を提示するなど出来る限りの対応をしてきた
つもりでしたが、年末にメンバーから出された意見には多くの不満が表れていました。
個人的に大変申し訳なく思うと同時に、このことを活動全体に対する大きな課題として
重く受け止め、2004年度は教員・学生・職員が参加するミーティングを定期的に行い、
最適な運営方法を模索していくことにしました。充分なコミュニケーションを取ること
によって、三者が気持ちよく活動できるような基盤作りをしていきたいと考えています。

この運動は“学生の皆さんを読書にいざなう”という、壮大な目標を持っています。
大変難しい目標ですが、展示している宮部作品が良く貸し出されたり、映画『模倣犯』の
上映会アンケートに「普段、本は読まないけれど、この作品は読んでみたいと思った」と
いう意見があったりと、手応えを感じることもチラホラありました。こうした成果を
少しずつ積み重ねて、「フェリスの学生は本をよく読む」という言葉が定説になるまで(!)
続けて行きたいと思います。
最後になりましたが、活動の中心となってくれた高橋さん、合澤さん、一年間
ありがとうございました。お二人の活躍が、このプロジェクトを支える柱でした。
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