フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2007-3活動報告書・さまざまなイベント-3
2007-3活動報告書・さまざまなイベント-3 *この記事は1〜11まであります
読書運動科目
読書運動プロジェクトは全学を上げての取り組みである。
今年度も正規の授業として、「読書からの発信(前期)〜読み
聞かせの楽しさ」「読書からの発信(後期)〜朗読のレッスン」
「今年の一冊〜大人と子どもが読む文学」「読書とメディア
〜本との出会い」が開講された。なかでも「読み聞かせの楽しさ」、
「朗読のレッスン」は特に学生に人気が高い。

前期開講の「読み聞かせの楽しさ」は、昨年度より大学近隣の
「なえば保育園」にて実習をおこなわせていただいている。

7月13日(金)、講師の依田和子先生に率いられた受講学生
たちは、徒歩5分ほどのところにある、なえば保育園に
向かった。大人として、子どもたちのお手本になれるように、
普段よりも少しだけ行儀よく、砕けすぎない服装を身に着けた
彼女たちは、子どもたちを前に授業の成果を披露する。

学生たちは、いくつかのグループに分かれ、それぞれが工夫を
凝らして子どもたちをひきつけていく。簡単な手遊びあり、
ストーリーテリングあり、真剣な目で見上げてくる子どもたちに、
学生のプレイにも力が入る。

そして読み聞かせ。

本を持つ角度、ページをめくるスピード、語り口。練習を重ねて
きたそれは、子どもたちを夢中にさせるに充分な楽しさだ。

情熱は子どもたちにもストレートに伝わる。終わったときの
大きな拍手。小さな手を一所懸命に打ち鳴らす子どもたちに、
中には目を潤ませている学生もいた。

また、後期には「朗読のレッスン」が開講され、こちらは
12月17日(月)に、緑園キャンパスのチャペルで公開授業が
行われた。

作品は「フェリスの一冊の本2007」に選定された、あさのあつこの
『バッテー』から「第8話 冬の音」、「第9話 あのミットに」、
宮部みゆきの『幻色江戸ごよみ』から「第4話 器量のぞみ」。
数人のグループで、1人ずつ語っていく。

  同じ人物の台詞でも、解釈のちがいから、間の取り方や
発声がことなり、おもしろい。それぞれの個性を最大限に
発揮しながら、グループとしてまとまった演出がなされ、
この授業の質の高さが伝わってくる。

一見、直立のまま淡々と語っているように見える朗読。
が、学生は皆、全身全霊で演じている。

声に出して読んでみることで、初めて気付いたことがあると、
受講生の1人は教えてくれた。朗読することで、読書体験を
人と共有できることがおもしろい、と言った学生もいた。

読書運動プロジェクトは、いつでも読書のきっかけ作りを
念頭において活動している。耳から入ってくる物語が、その場を
共有した誰彼にとって、本を手にするきっかけになればいい。
保育園のときに、大学生のお姉さんが読んでくれた絵本が、
忘れ得ぬ一冊になればいい。

私たちのプロジェクトは、木を植え育てるように、時間と
根気のいる運動であるが、きっと実を結ぶと信じている。

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