フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
2007-3活動報告書・さまざまなイベント-4
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大学祭
【梨木香歩さん朗読会〜『家守綺譚』を中心に〜朗読とお話し】

11月4日(日)13:00〜 グリーンホール(緑園)にて

 大学祭に梨木香歩さんをお呼びすることは、私たちの
あこがれでもありました。梨木先生からOKのお返事を
いただいたときには、とても嬉しく、読書運動プロジェ
クトのメンバー全員で、いい会にしようね、と約束しま
した。色々な準備に追われてすぐに当日がきてしまい、
さらには、310名以上という予想以上のお客さんが来て
くださいました。席が足りず、何とかご協力頂いてより多く
の方に座って頂く事ができましたが、立ち見の方のために
急遽用意した椅子もいっぱいいっぱいの状況でした。席の
ことに時間や人力を割かずに済ませるため、次回からは
お客さんがオーバーした場合の対処法を考える必要が
あります。また、この朗読会に出ることで授業が振替になり、
出席点を気にする学生たちも出席していたので、出席カード
のことを伝えることも必要でした。

 お客さんへ配ったアンケートは半分以上回収することが
できましたが、大学祭が終わってから、メンバーそれぞれが
きちんと見直せたのか、回収しただけで満足していないか、
次回からはどのようなアンケート調査をしたいかなど、
再確認する必要も感じています。

 アンケートで最もご指摘いただいていた点は、先生への
質疑応答の時間が少なかったことと、マイクの不具合に
ついてでした。質疑応答の時間短縮は個人的にもとても残念
ではありましたが、限られた時間のなかでやむを得ない判断
だったと思います。しかし、マイクについても予期せぬ事態
ではありましたが、そのような場合の対処について事前に
よく確認をとりたかったです。

 朗読会からサイン会、そしてお茶会へと移るまでの間、時間に
余裕がなく、梨木先生がお疲れにならなかったかも心配でした。

が、講演会等を滅多にされない梨木先生の、貴重な朗読会
ということもあり、想像以上のお客さんが様々なところから
来て下さったのは、やはりとても嬉しかったです。先生の
未発表作品の朗読まで聴くことができ、会場は静かな興奮
に包まれました。梨木先生らしい、表現のとても美しい作品
でした。作者本人の朗読を聞くことができるというのも、
初めての体験でしたし、直に私たち聞き手に届けていただける
という感覚が嬉しかったです。作者なので当然かもしれませんが、
初めて聞いた先生の声も、読み方も、まさにお話に相応しいもの
だと感じました。

 最後のサイン会の時には、大好きな『西の魔女が死んだ』
の本に、サインをいただくことができ、嬉しさのあまり、
汗をかいていました。

 お茶会では、『西の魔女が死んだ』を書いた経緯や、
日々の日課である散歩と日記など、日常と自然から物語の
ヒントを得るのだということ、母親と娘の距離についてなど、
とても深いことまで聞くことができました。メンバー一人一人
の目を見てお話して下さった梨木先生の優しさに、もっと
聞きたいことを整理してくれば良かったと後悔してしまい
ましたが、同席してくださった鈴木美南子先生が質問の
糸口を繋いで下さったこともあり、本当に貴重な時間を
過ごせました。梨木先生は、とても尊敬する作家ですが、
緊張しすぎずに、勇気を出して質問したほうが良かった
と思いました。それが、わざわざ遠いところから来て
くださった先生に対する礼儀でもあると感じたからです。
あっという間に過ぎてしまいましたが、とても充実した
朗読会でした。
                 報告・感想 日本文学科 2年 尾藤亜衣
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