フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
39-2・特集1.恋愛-1
2006年12月22日発行読書運動通信39号掲載記事7件中2件目
特集:1.恋愛 2.大学祭報告
紹介:宮沢賢治の本〜第7回
お知らせ:イベント
『きみに読む物語』 ニコラス・スパークス/著 雨沢 泰/訳 アーティストハウス
請求記号 RP||スパク  資料番号190397300  緑園2F読書

 ちょっと立ち寄った本屋さんで、素敵な本を手に取りました。
表紙の中央には、沈みゆく夕日を背に、ボートに乗った老夫婦の姿が描かれおり、
「2005年海外小説第1位。今年1番泣けた本第10位に選ばれました」
などと書かれた帯が巻かれていました。原題は『The notebook』。
『きみに読む物語』とは、素敵な邦題だと思いました。
「わたしはありふれた男だ。
でも、わたしには全身全霊をかたむけて愛する女性がいる。
いつでも、それだけで十分だった。」
この本の始めの方に出てくる言葉です。
すっかりひきこまれてしまいました。
主人公ノアは80歳の老人で、妻アリーの枕元で、
ある物語を読みきかせることを日課にしています。
しかし妻はアルツハイマー病で全ての記憶を失っており、
ノアの呼びかけに視線を返すことすらしません。
彼女にとって枕元のノアは知らない人なのです。
 2人が恋に落ちた18歳の夏、そして別れ。
14年後の奇跡の再会。結婚。
 ノアの「ある物語」とは、幸せだった2人の日々でした。
彼は懐かしい記憶をノートに書きとめています。
アリーはきっと思い出してくれる、奇跡は起きると信じて、
彼は今日もボロボロになったノートを手に枕元に向かうのです。
 生きることの大変さ過酷さもしっかり描かれています。
美しい詩や愛の物語を綴り続ける一方で、
ノアの身体も病に蝕まれていきます。
それでも彼は、アリーを愛し続けることをやめません。
愛し愛された過去をも忘れ、意識もうつろにベッドに横たわっているだけの
妻であってもです。
 特別な人生じゃなくて、いいんです。
ゆっくりと人生を振り返る歳になったとき、素敵な愛の物語を綴れたら、
幸せでしょうね。
映画にもなったそうですが、まずはこの本をお読みになり、
あなたのノアとアリーを思い描いてみてください。
遠い昔に愛の物語をお持ちの方々、
これから、物語を作っていく若いあなたにも、オススメの究極の愛の物語です。
(読書運動学生メンバー母)
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