フェリス女学院大学附属図書館読書運動プロジェクト「フェリスの一冊の本」
31-3・特集 キャンパスライフにオススメの本-2
2006年4月25日発行読書運動通信31号掲載記事14件中3件目
  特集:キャンパスライフ
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『かわいい論』 四方田犬彦著 ちくま新書
筆者が大学生を対象に行ったアンケートによると、20歳を境に
「かわいい」に対する意識が変化するそうです。
20歳より若い人は男女を問わず「かわいい」と言われたいと思っている人が多いが、
20歳を過ぎると「かわいい」と言われることに抵抗を感じるようになる。
が、22歳くらいになると再び「かわいい」と言われたいと
思う人が増えるというのです。
今、日本で話題になっているコスプレやゴスロリなどは、日本より先に
アメリカでブームが起きたそうですが、グロテスクさや、不気味さ醜悪さなども含む
「かわいい」のニュアンスがわかるかどうかについては、アメリカでは
世代によってかなり違うということです。
ではなぜ、今世界中でポケモンやキティちゃんなどの日本のかわいい
キャラクターグッズがもてはやされているのでしょうか。
かつて小さいもの、幼いものなどに冠されていた「かわいい」という言葉は、
今ではどんな意味を持っているのでしょうか。
筆者は「かわいい」の源流を11世紀の『枕草子』に求めており、
この言葉を多方面から分析した結果、独特の美学として洗練されてきたそれを
21世紀の美学であると説いています。
皆さんは「かわいい」と聞いて何を連想しますか。
(図書館 鈴木明子)
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